2025.12.24
商品が増えると、1件ずつの手作業では情報の更新が追いつかなくなってきます。
そんなときに役立つのが「CSV一括更新」。商品名や価格、説明文などをまとめて変更できる便利な方法です。
ただし、CSVの使い方を誤ると、商品情報が崩れたり、ストア内から商品が消えてしまったりすることもあります。
特にYahoo!ショッピングでは、アップロードの設定次第で、全データを上書きしてしまうリスクもあるため注意が必要です。
この記事では、楽天市場とYahoo!ショッピングの商品更新用CSVについて、2025年時点での最新仕様やつまずきやすいポイントを解説します。
これからCSVを使って効率化したい方も、すでに運用中の方も、日々の更新フローを見直すきっかけとしてぜひお役立てください。
【本記事でわかること】
◎楽天とYahoo!で使う商品更新CSVの種類と役割の違い
◎2025年時点で押さえておきたい仕様変更や追加項目のポイント
◎トラブルを避けるためのチェックポイントと運用ルール
目次
楽天のCSV更新|normal-item.csvの構造と注意点

楽天市場で商品数が増えてくると、1件ずつ管理画面から編集するのは現実的ではありません。
そのため、多くの店舗が活用しているのが「normal-item.csv」を使ったCSV一括更新です。
ただし、SKU(色・サイズなどの在庫単位)で商品管理する仕様に移行してから、CSVの構成やルールが大きく変わりました。以前のテンプレートをそのまま使ってしまうと、反映エラーや項目のずれといったトラブルが起きることもあります。
ここでは、2025年時点で押さえておきたい楽天CSVの基本と注意点を解説します。
商品情報の更新に使うのは normal-item.csv
楽天の商品情報を一括更新する際は、「normal-item.csv」を使います。
商品名・価格・在庫・説明文・画像URLなど、日々の運用に必要な情報をまとめて管理できます。
このCSVには、以下3つの行レベルが含まれます。
| 【CSVの行レベル】 |
| ・商品レベル行:商品名やキャッチコピー、商品説明文など ・商品オプションレベル行:任意で選べるオプション設定 ・SKUレベル行:色・サイズごとの在庫数、価格、送料区分など |
たとえシングルSKUの商品でも、商品行とSKU行の両方が必要です。
マルチSKU(色・サイズなど)の場合は、バリエーション関連の項目も加わります。
更新作業の基本ステップは以下の通りです。
①RMSからnormal-item.csvをダウンロード
②必要な列だけをExcelなどで編集
③編集済みCSVをアップロードして反映
このとき特に重要なのは「毎回、最新のCSVを使うこと」です。
SKU対応以降、項目名や列構成に変更が加えられており、古いファイルを使い回すとエラーや反映ミスの原因になります。
また、SKU行は商品ごとに複数行に分かれる構造です。
どの行にどの情報を書くかを意識して確認すれば、編集作業もスムーズになります。
SKU移行後に変わった項目名と列構成の注意点
SKU対応後のnormal-item.csvは、以前と比べて列構成が大きく変わりました。
楽天のマニュアル上でも、旧項目と新項目が存在するものの、同時には使えないという注意が繰り返し記載されています。
特に混乱しやすいのは、次のようなケースです。
| ケース | 内容 |
| 価格や在庫、送料などがSKU行に移行 | 通常購入価格や在庫数、送料区分1・2などは、SKU行で設定する方式に変更 |
| バリエーション関連の列が増えている | 項目キー定義・項目名定義・選択肢定義など、バリエーション設定が複数列で構成されている |
| 商品オプションは専用の行・列で管理 | 商品オプションは、項目名・選択肢・選択肢タイプなどを個別に記述する必要がある |
このように、旧形式と新形式が混在していると正しく反映されず、エラーの原因になります。
各項目が「どの行に属し、どの列で設定するか」を明確に理解することが大切です。
【編集時に気を付けたいポイント】
作業時は、以下の点を意識しておくとミスを防ぎやすくなります。
◎古いCSVは使い回さない
最新のCSVをRMSから取得し直すことで、項目名のズレや構造違いによるエラーを防げます。
◎必要な列だけを編集対象にする
normal-item.csvには数百列が含まれるため、不要な列は非表示にして誤編集を防ぎましょう。
バリエーションや商品オプションの設定は構成が複雑なため、まずは価格・在庫・商品名などの基本項目から操作に慣れていくのがおすすめです。
楽天CSV更新でミスを防ぐための運用ルール
normal-item.csvは一括編集ができて便利な反面、たった1つの入力ミスで数百〜数千の商品に影響が及ぶこともあります。
安全にCSVを扱うには、作業前・編集中・アップロード前後のルールを決めておくことが重要です。
【更新前にやること】
| 作業内容 | 詳細 |
| 最新のCSVを必ずダウンロード | 古いテンプレートのまま作業を続けると、仕様変更により反映されない・列がズレるといった不具合が起きやすくなります。 |
| 元データのバックアップを保存 | 編集前のCSVを残しておけば、万が一のエラーや不具合発生時にもすぐに復元できます。 |
【編集時の注意点】
作業効率と安全性を高めるため、以下のポイントを意識して編集しましょう。
◎使わない列は非表示にする
間違えて削除すると、空欄として上書きされるリスクがあります。
◎商品管理番号・SKU番号は原則変更しない
商品識別のキーとなるため、勝手に書き換えると別商品として認識される可能性があります。
◎CSVダウンロード後は、Excelに変換して作業する
CSVのまま作業すると文字化けのリスクがあります。「CSV to Excel」などのエディタを使って、一度Excel形式に変換してから作業します。
【アップロード時のチェックポイント】
| チェック項目 | 詳細 |
| SKU数が多いときはファイル分割 | 行数が多すぎるとアップロードエラーが起きやすくなるため、カテゴリごとに分けるなどして対応します。 |
| エラーログは必ず確認 | 一部SKUだけがエラーになるケースもあるため、アップ後のログ確認は必須です。 |
| 倉庫指定の入力ミスに注意 | SKUごとの倉庫指定に誤りがあると、商品ページが非表示になることがあります。 |
| 空白行に注意 | 空白行があるとエラーになるため、アップロード前に「Cassava Editor」などのCSVエディタを使用して空白の行部分を削除します。 |
作業のたびに都度ルールを確認することで、属人化を防ぎながら安定したCSV運用が可能になります。
特にSKU商品が多い店舗では、ルールを決めておくことでミスを防ぎやすくなります。
また、URLが長い場合は「Cassava Editor」などのCSVエディタを使用します。
normal-item.csvはSKU移行後の商品更新用CSVですが、新規登録やイベント時の一括編集など、商品登録用CSV(item.csv)を使った運用も押さえておきたいところです。
楽天のitem.csvの具体的な編集例は、こちらの記事で詳しく解説しています。
Yahoo!のCSV更新と失敗を防ぐアップロードの基本

Yahoo!ショッピングでも、商品数が増えてきたらCSVによる一括更新が欠かせません。
ただし、CSVの仕様やアップロード方法を正しく理解していないと、商品ページが崩れたり、意図しない情報が上書きされたりすることがあります。
ここでは、Yahoo!で使うCSVの種類や注意点、ミスを防ぐ運用ルールについて解説します。
更新に使うのはdata.csv|役割と基本の流れ
Yahoo!ショッピングの商品情報を一括更新する際に使うのが、商品データベースCSV(data.csv)です。
商品名や価格、在庫数、説明文などをまとめて修正できるため、取扱点数が多いストアには必須のツールといえます。
| 【よく使うCSVの種類】 |
| ・data.csv:すでに登録されている商品の情報を更新する ・data_add.csv:新規商品を一括で登録する |
既存商品の情報を編集する場合は、基本的にdata.csvを使います。
Yahoo!でのCSV更新|基本の3ステップ
楽天のように「画面上で一括編集できる機能」はYahoo!にはありません。商品情報の一括更新は、CSVを使って次の手順で行います。
①CSVをダウンロード
ストアクリエイターProから、編集対象の商品情報をCSVで出力します。
②Excelやスプレッドシートで編集
価格や在庫など必要な項目だけを修正し、保存時はEUCまたはShift-JIS形式にします。
③CSVを再アップロード
管理画面からファイルを選び、登録方法(更新/上書きなど)を指定してアップロードします。
CSV更新では、以下の2つのキー情報を変更しないよう注意が必要です。
◎code(商品コード)
◎sub-code(SKUコード)
これらを誤って変更すると、反映されなかったり、別商品が上書きされたりするおそれがあります。
編集作業では、元のコードを保持したまま必要な列だけを修正しましょう。
Yahoo!のアップロード設定ミスで起こる反映トラブルとは
Yahoo!ショッピングでCSVを使って商品情報を更新する際、注意すべきなのが「アップロードタイプの選択」です。
設定を間違えると、ページ内容がまるごと空欄で上書きされるなど、深刻なトラブルにつながるおそれがあります。
CSVアップロード時には、次の4つのモードから選択します。
| モード名 | 内容 |
| 上書きモード | CSVの内容で商品情報全体を上書き(空欄項目もそのまま反映) |
| 追加モード | CSVに記載された新商品を追加登録(既存商品には影響なし) |
| 削除モード | CSVに記載された商品コードの商品を削除 |
| 項目指定モード | CSVに含まれる列のみを更新 (それ以外の情報はそのまま残る) |
もっともトラブルが多いのが「上書きモード」の誤使用です。
たとえば、価格と在庫だけを記載したCSVで上書きすると、説明文や画像URLなど、記載していない項目が空欄で上書きされてしまう可能性があります。
その結果、商品ページの情報がごっそり消えたように見えることもあります。
通常は「項目指定モード」を選ぶのが安全です。必要な情報だけを更新でき、それ以外の情報はそのまま保持されます。
【アップロード前のチェックポイント】
事故を防ぐために、アップロード前に次の3点を確認しましょう。
◎空欄の列がないか
編集しない列は、空欄のまま残さず非表示にするのが安心です。
◎code列(商品コード)が正しいか
誤ったコードで登録すると、別の商品が書き換わる可能性があります。
◎まずはテスト商品1件で試す
一括更新の前に、1商品だけでテスト反映して確認しましょう。
設定ミスを防ぐには、アップロード前の確認が何より大切です。
商品情報のCSV更新とあわせて見直したいのが、商品画像やキャビネット管理のルール化です。
楽天・Yahoo!での画像登録作業を効率化したい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
▶EC商品画像・キャビネット管理のナンバリング攻略法!楽天・Yahoo!の効率化ルール
まとめ・CSV更新を安全・効率的に進めるために

楽天・Yahoo!ともに、CSV一括更新は日々のメンテナンスを効率化できる便利な仕組みです。
一方で、古いテンプレートの使い回しや、アップロード設定のミスがあると、思わぬトラブルにつながるリスクもあります。
だからこそ「どのCSVで何を、どう更新するか」を明確にし、ルール化しておくことが重要です。
| モール | 更新の基本ルール |
| 楽天(normal-item.csv) | ・商品行/SKU行の構造を理解する ・毎回RMSから最新版を取得する ・不要な列は編集せず、商品管理番号・SKU管理番号は変更しない |
| Yahoo!(data.csv) | ・アップロードタイプは「項目指定」が基本 ・更新前にバックアップを取り、1商品でテストする |
| 共通の注意点 | ・エラーログは必ず確認し、対象行だけ再修正する ・CSV仕様や項目名は定期的に見直す |
CSVの仕様は今後も変更される可能性があります。
担当者が変わっても迷わず作業できるよう、手順やチェックリストを明文化しておくと安心です。
ファイブスプリングスでは、楽天・Yahoo!の最新仕様に対応したCSVテンプレートの整備から、運用フローに合わせた更新ルールの策定までトータルでサポートしています。
「属人化をなくしたい」「CSV作業に不安がある」
そんなお悩みがあれば、ぜひお問い合わせページからお気軽にご相談ください。
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太田 薫(おおた かおる)
株式会社ファイブスプリングス 代表取締役
元楽天ECコンサルタント、その後楽天MVP獲得店舗の統括部長。 ■無料相談■ |

















